K-§MART SEEDS集再エネ等の発電出力を向上させる無段変速機構の開発

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概要

再エネ等の入力エネルギーをより有効活用することを目的に、機械的な回転力でエネルギー変換する機構について、従来、変速比が固定されている増速機を無段変速化する新たな方式の機構へと改良する。新たな無段変速機構とは、立体カムにより左右に揺動運動するラックをピニオンの回転運動に変換するものであるが、その回転量が立体カムの軸位置で変化するものである。研究開発の概要

従来技術
例えば、従来の風力発電機は、ブレードで受けた風からロータが回転力を得て、固定増速機を介して、モーターに回転を伝え、発電する。このとき、増速機の比率が固定されているため、幅広い風速を利用できていない。
優位性
風力発電機を例にすれば、本変速機は始動トルクが小さく、変速比が大きいことから、微弱な風速から高速回転を伝達する。一方、発電できないほどの強風時でも定格の回転数を出力するため、幅広い風速を利用できる。

特徴

本機構の核となる立体カムは、軸の中心と円板中心が一致している上部では、立体カムが回転しても、円周に接触しているボール付きラックは左右に動かない。しかし、軸の中心に対し、円板が偏心している下部ではボール付きラックが立体カムの変動に合わせて、左右に揺動する。このラックの揺動で回転するピニオンの軸にフリーホイールを入れ、一方向にだけ回転を制御する。ラック&ピニオンはカムの左右に独立して2セットあることから、ラックが右へ移動した時は、右側のピニオンだけが回転し、ラックが左へ移動した時は、左側のピニオンだけが回転する。つまり、右側と左側のピニオンの組み合わせで1回転の動作を連続することになる。なお、現状の技術として、立体カムを上下に移動する方式に遠心調速機構を用いているが、この方式は用途により、変更される。また、出力軸の回転を等速化するため、非円形歯車の組み込みを検討している。 螺旋型風車と組み合わせた垂直軸小型風力発電機 taga_2.png

実用化イメージ・想定される用途
・風力発電機の増速機構
・小水力発電機の増速機構
・エコカーの変速機構
実用化に向けた課題
・立体カムの軸移動方式
・非円形歯車の組み込み
・静音性能

研究者紹介

岡田 昌樹(おかだ まさき)researchmap

m_okada(α)tomakomai-ct.ac.jp(α)を@に置き換えてください

研究者からのメッセージ

電力を用いずに,メンテナンスが容易な見えるメカニカル機構にこだわったエネルギー関連機器の開発に取り組んでいる。温故創新で,SDGSに貢献していきたいと思っている。

研究キーワード

風力発電機

無段変速機構

立体カム

非円形歯車

フリーホイール

知的財産権

特許2008-297222 一対の非円形歯車の輪郭形状を生成する方法,プログラム及び装置

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