再生可能エネルギー由来の電気は、日々の自然環境の変化に発電量が大きく影響を受けるため安定供給は難しいです。また、「再エネ出力制御」の要請により発電できる状態であってもシステムを停止させることがあり、設備の能力を十分に発揮することが出来ていません。そこで、ホフマン型簡易電気分解装置によって「余剰となった電気を用いて水素を発生させて貯蔵・利用するシステム」の研究に取り組んでいます。
各家庭に「太陽光発電+水素製造貯蔵装置」が普及するような未来が、水素社会の最終形態と考えられます。水素製造貯蔵装置として、高価な燃料電池では無く、中学校の理科実験に使用したホフマン型簡易電気分解装置を利用したシステムが有望と考えています。しかしながら、「ホフマン型簡易電気分解装置を利用した水素製造貯蔵装置」を屋内に設置することは、たとえ安全設計されていたとしても心理的に受け入れることが難しく、屋外に設置すると考えられます。この場合、北海道のような寒冷地では、電気分解に使用される水酸化ナトリウム水溶液が凍結する恐れがあります。凍結を防ぐ為には不凍液(エチレングリコールなど)を添加する必要がありますが、温度に対する不凍液の最適混合割合についての先行研究はほとんどありません。
北海道は寒冷地のため冬季の熱需要が多く、「水素+燃料電池」は熱需要を満たす有効な手段です。その燃料となる水素を製造するための再生可能エネルギーの賦存量も多く、実証試験を行うには有望な地域です。
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