K-§MART SEEDS集地中熱ヒートポンプの課題であった初期導入費用を1/5程度まで削減
土壌熱ではなく地下水の熱を主に利用することで性能を大幅に向上

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概要

北海道のような寒冷地では熱需要が膨大であり温暖化対策としてヒートポンプ(HP)の普及が喫緊の課題となっています。広く普及している空気熱源式ではHPの特長である高いCOPを得ることは寒冷地においては困難であるため他の熱源を利用する必要がありますが、ヒートクラスター型(井戸型)地中熱HPは従来の土壌熱を主として利用するボアホール型と比較して5~6倍もの採熱が可能です。研究開発の概要

従来技術
土壌熱を主としている従来のボアホール型地中熱HPは、冬の間採熱を続けていると土壌の中でも氷点下となってしまいます。そのために50~100mのボーリングが5~6本必要となっておりました。
優位性
ヒートクラスター型地中熱HPではボアホール型と比較して5~6倍の採熱が可能であるため、50~100mのボーリングが1本で十分となります。地中熱利用で課題となっている初期費用を大幅に削減できます。

特徴

ヒートクラスター型HPでは、井戸の中に取り込んだ地下水との熱交換がメインとなっております。井戸の中に取り込んだ地下水は採熱終了後には地中に再び戻し、新たな地下水を井戸の中に導入するということを繰り返し、安定的な熱源を創出致します。再生可能エネルギーの一つであると考えられる地中熱は、夏の太陽光の熱を蓄えて冬に利用するという季節間での長期蓄熱を可能にする唯一の方法であると思っております。膨大な熱需要を灯油などの化石燃料で賄っている寒冷地では、ヒートクラスター型HPの開発および普及はカーボンニュートラルに向けて、欠くことのできない熱デバイスであると考えております。事業所や学校に導入し年間を通じて安定したCOPを得ている 研究関連設備

実用化イメージ・想定される用途
・寒冷地におけるZEH、ZEB、ZEFなどでの熱エネルギー供給デバイスとなる
・水耕栽培などの農業への適用
実用化に向けた課題
・井戸内の複雑な熱移動を明らかにしシステムの最適化を図る

研究者紹介

菊田 和重(きくた かずしげ)researchmap

苫小牧工業高等専門学校 創造工学科 教授

研究者からのメッセージ

再生可能エネルギーというとまずは電気を思い浮かべると思いますが、熱も重要でありそれの再生可能エネルギーの有効利用はほとんどできておりません。ヒートクラスター型地中熱HPの最適化を図り、熱の分野での再生可能エネルギーの有効利用をリードして行きたく思っています。

研究キーワード

地中熱

ヒートポンプ(HP)

蓄熱

ZEH

EMS

知的財産権

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