光ピンセットとは、レーザー光を顕微鏡の対物レンズによって集光した際に物質に働く電磁気学的な力「光圧(輻射圧)」によって、ナノ・マイクロ物質を捕捉し、空間的に操作する技術のことです。本研究では、このような光と物質の相互作用を介して得られる新奇材料を分光学的に評価する技術を開発します。
倒立顕微鏡に、光ピンセット用の近赤外レーザーと分光分析用の可視光レーザーの2本を同軸で導入し、分光器と組み合わせることで、光捕捉した物質の単一分光分析を実現します。現在では、市販品の光ピンセット装置も存在しますが、本研究では光ピンセット装置を独自製作することで、拡張性や自由度が高く、様々な実験に対応することができます。 マイクロ粒子の捕捉に留まらず、熱応答性高分子をはじめとするナノソフトマテリアルの集合体形成(液-液相分離の誘起)などの新奇現象も発見しており、現在この現象の機構解明を目指し研究を進めています。科研費若手研究「光ピンセットが導く特異な相分離構造の形成過程と起源の解明 」として現在実証中
松本 充央(まつもとみつひろ)researchmap
奈良工業高等専門学校・物質化学工学科・特命助教
光ピンセットは2018年にノーベル物理学賞を受賞したArthur Ashkin 博 士が開発した技術で、様々な応用展開が期待されている関心度の高いホットなキーワードです。技術相談や共同研究に限らず、ご興味ありましたらご連絡ください。
光ピンセット
顕微分光
光圧
温度応答性高分子
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