K-§MART SEEDS集レーザーを用いた局所加熱による硫化物半導体薄膜形成

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概要

Cu2ZnSnS4(CZTS)を光吸収層に用いた化合物薄膜太陽電池の研究開発を行っています。Cu、Zn、Sn、Sの構成元素を含んだ前駆体にレーザー照射を行うことで多結晶化し、化合物半導体を形成します。研究開発の概要

従来技術
前駆体を硫化水素などの硫黄を含んだ雰囲気中で500~600℃で加熱を行うために、 基板全体を加熱する必要があるため、前駆体に最適な熱処理工程の設計が困難でした。
優位性
前駆体が吸収しやすい波長のレーザーをXY平面に走査することで、基板全体を加熱することなく局所的な結晶化を促し、光吸収層を形成することができます。

特徴

レーザーは単一波長による指向性に優れた光であるため、対象物質のバンドギャップに応じて吸収のしやすさが顕著に異なります。また集束したレーザー光をXY方向に走査し、照射時間を短く制御することで局所的な加熱処理が可能となります。この特徴を利用して、非晶質に近い構造の前駆体にレーザー光を照射することで、基板全体を加熱することなく、多結晶化領域を基板面内に選択的に形成することが可能となります。 前駆体へのレーザー照射によるバンドギャップ1.5eVを有するCu2ZnSnS4多結晶構造形成

実用化イメージ・想定される用途
・各種材料の局所熱処理による構造変調
・自己給電を目指したLSIチップ上での低熱負荷化合物薄膜太陽電池形成
実用化に向けた課題
・加熱対象材料毎のレーザー光源の最適化(波長、スポットサイズ、走査速度)
・スループット向上

研究者紹介

島宗 洋介 (しまむね ようすけ)researchmap

長岡工業高等専門学校 電気電子システム工学科 准教授

研究者からのメッセージ

半導体薄膜材料の形成および物理分析(原子間力顕微鏡、X線光電子分光法、X線回折、電子顕微鏡観察、EDS分析 等)を一括して行います。共同研究をご検討の際にはご連絡ください。

研究キーワード

化合物薄膜太陽電池

半導体製造プロセス

レーザー

知的財産権

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