K-§MART SEEDS集レーザー誘起改質法による超短時間での酸化物半導体光電極の形成

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概要

近年、クリーンなエネルギー源である水素をより効率的に生成するため、多くの酸化物半導体が光電極材料として注目を集めている。研究の目的はレーザー誘起改質法によって、超短時間で金属基材から酸化物半導体光電極を作製することである。必要な箇所に高い精度で必要なエネルギーを付与できることは、光電極の作製プロセスにおける大幅なコスト削減に繋がる。研究開発の概要

従来技術
従来のプロセスでは、成膜装置や電気炉を用い高温環境下で複数のステップが必要なために、最低でも5時間以上を要した。
優位性
本手法は時間を要する真空排気・成膜や電気炉による焼成といったプロセスを除けるので、5×5mm程度の光電極の作製時間なら1/100 程度に短縮できる。

特徴

ナノ秒パルスレーザーを用い、各種金属の表面改質を行う。このシステムではレーザー光をビームエキスパンダーで拡大し、ガルバノスキャナにおいて、回転軸に取り付けたミラーを高速・高精度に制御して走査する。そして、レンズを通すことで、走査エリア内における均一なビーム径が基材上で実現できる。実際、銅プレート表面にガルバノスキャナにより、5×5mmの平面上に50μmの間隔で平行線を描画した。レーザーの照射部はエネルギーが付与され変色しており、酸化が進行していることがわかる。レーザー誘起改質法では、レーザー照射によって、プラズマ化・蒸発した基材が外部空間に放出される。高温の溶融層は大気中の酸素と反応して酸化物を形成する。そして、形成される改質層の大きさや深さは、レーザーの波長、エネルギー密度、走査速度等で制御できる。金属箔のレーザー加工 レーザー誘起改質法による金属表面への酸化物層の導入

実用化イメージ・想定される用途
・光電気化学水分解による水素の生成
実用化に向けた課題
・基板材料に応じた光源の最適化
・高速化

研究者紹介

平井 誠 (ひらい まこと)researchmap

長岡工業高等専門学校 電気電子システム工学科 准教授

研究者からのメッセージ

本技術は汎用性が高いので、ご興味をお持ちの企業の技術相談や、共同研究等をご検討の際にはご連絡ください。

研究キーワード

水分解

水素生成

レーザー

酸化反応

環境応用

知的財産権

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