K-§MART SEEDS集島根県宍道湖産のしじみの貝殻を用いたコンデンサの開発

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概要

島根県の特産品であるしじみは、漁獲量が4172t (2019年)であり, 全国の総漁獲量の約4割を占めている. その身は食用とされる反面, 貝殻は石灰などに一部利用されているが, その多くは廃棄処分されている. しじみの貝殻は炭酸カルシウムを主成分とし, バンドギャップを有することから, 本研究ではSDGsの観点からこの廃棄される貝殻に着目し, コンデンサへの応用を目指し研究を進めている.研究開発の概要

従来技術
チタン酸バリウムを用いたセラミックコンデンサが最も有名であり, 車やスマートフォンなどに100から200個程度用いられ、様々な容量のコンデンサが使用されている.
優位性
破棄されている貝殻を再利用することや地域活性化に加え, 焼成による200程度の高い比誘電率を有し, 10MHz高周波フィルターとしての性能を示している.

特徴

セラミックコンデンサは1000℃で数時間加熱を行うことでセラミックとなりコンデンサとして動作するが, 本研究では最高でも500℃程度で高い比誘電率を有します. 海産物のため有機物を除去するための仮焼成, セラミック化するための本焼成の条件を組み合わせることで誘電率が変化し, 最適化を行うことで更なる誘電率の向上が期待できる. また島根県産の岩牡蠣においても同様にコンデンサとして動作することを明らかにしており, このノウハウはしじみの貝殻だけではなく牡蠣やホタテなどへの応用も可能である.セラミックコンデンサとしての充放電特性などの性能評価 蛍光X線、X線回折による元素分析 仮焼成、本焼成条件の最適化研究関連設備

実用化イメージ・想定される用途
・スマートフォンなどの電子デバイス用のコンデンサ
・LEDなどの照明用電源
・太陽電池への応用
実用化に向けた課題
・焼成条件やプレス条件の最適化
・容量に寄与する元素の特定
・製造ロットでの性能の均一化

研究者紹介

市川 和典(いちかわ かずのり)researchmap

松江工業高等専門学校 電子制御工学科 准教授

研究者からのメッセージ

共同研究を募集しています. 本研究室はサンプル作製や電気特性評価を得意としているため, 特に分析に関してが不十分です. ホタテや牡蠣などにも応用が可能なため, このようなチャレンジングな研究にご賛同いただける方ご連絡をお待ちしています.またバンドギャップを有し, 大面積のため大量にしじみの貝殻が消費できることから太陽電池への応用も考えています.

研究キーワード

セラミックコンデンサ

SDGs

しじみの貝殻

知的財産権

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