K-§MART SEEDS集暴風を気圧変化から捉える

概要

気象観測(主に暴風)を実施できます.長年の局地風の研究から,強風吹走時には特徴的な気圧変化があるのが分かってきました.このことは広い空間の高所に可動部のある風速計を設置せずとも,地表近くに可動部の無い気圧センサを設置することで暴風を捉えることができます.研究開発の概要

従来技術
比較的安価な風車型風速計は可動部が有り厳冬期には凍結し欠測している.可動部の無いドップラーレーダは超高価で多地点に展開できない.
優位性
安価な気圧センサにより暴風を捉えることができる.5秒間隔での観測なので,暴風域の移動を可視化できるかもしれない(現在研究中)

特徴

気圧を時間的に高分解能で観測することにより,暴風時には5秒間で±1hPa以上で気圧が変化する事が分かっている.この観測を月差15秒程度の内蔵時計で観測すると,複数地点で観測した場合,観測値の同時性が保てない.そこで観測時刻をGPSなどの高精度な時計と同期させて観測することにより,観測値の同時性が確保できる.5秒間隔で暴風地点が分かることで,暴風域の移動を超高価なドップラーレーダを用いること無く把握することが可能となり,コスト的に有利なシステムを作り上げることができる可能性が有る.北海道知床における局地的強風「羅臼だし」の観測.研究関連設備

実用化イメージ・想定される用途
・可動部が無いので厳冬期の北海道で展開し,暴風雪による車の立ち往生防止(防災).
実用化に向けた課題
・5秒間隔で多地点から送られてくるデータの可視可.
・4G回線すらない人口希薄地域(無人地帯)でのデータ収集.

研究者紹介

佐川 正人(さがわまさと)researchmap

釧路工業高等専門学校 創造工学科 電気工学分野

研究者からのメッセージ

気候学(局地風)で学位を取り,以前には電機メーカーで電子機器の開発設計をやっていました.そのため観測機器を作ることはできますが,そのあとのデータ処理,ネットワーク技術がありません.気象観測そのものには「カネ」になるシーズはないのですが,これを防災に使えたら,と思っています.

研究キーワード

暴風

暴風雪

局地風

気圧観測

防災

小気候学

知的財産権

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