太陽電池型の素子を用いて、過酷環境で使用可能な小型軽量薄型の常設型線量計測システムの開発を行っています。我々が提案する内部電位駆動形線量計は太陽電池のp-n接合の内部電界によりバイアス電圧の印加が不要で、非常にシンプルな構成です。そのため、小型軽量薄型で、常設型の線量計が低コストで実現できます。また、原子力分野のみでなく、医療分野への応用、工業分野への応用など様々な分野への波及効果が期待できます。
太陽電池は、半導体放射線検出器と似た構造を有している。従来の半導体放射線検出器は、半導体における放射線の吸収係数が太陽光の吸収係数よりもはるかに小さいため、比較的厚い構造になっている。それに比べ、太陽電池は数mm程度と薄い構造であるが、高線量率の放射線を検出するには適していると考えられる。また、従来の半導体放射線検出器ではバイアス電圧の印加が必須であるが、太陽電池ではp-n接合に内部電界があるため、バイアス電圧の印加は必要ない。そのため、無電源動作が可能で、非常にシンプルな構成で小型軽量薄型化された線量測定システムの作製が可能となり、フレキシブル化も可能であると考えられる。CdTe太陽電池を用いたガンマ線検出 スクリーン印刷法を用いた中性子コンバータ膜の作製
岡本 保(おかもと たもつ)researchmap
木更津工業高等専門学校・電気電子工学科・教授
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太陽電池
化合物半導体
線量計
内部電界型半導体素子を用いた自己誘起電流型線量計の積層化モジュールによる検出感度向上
(申請中)