K-§MART SEEDS集蓄電デバイスの電極を多孔質小球体に置き換えることで急速充電用または高容量エネルギー貯蔵体として利用します

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概要

生産された余剰エネルギーを貯蔵する技術の一つとして二次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスが注目されています。課題は充電速度と容量です。改善法として電極を多孔質炭素小球体にすることが提案されています。多孔質炭素小球体は小球体1個の反応性が高くなるため急速充電や高容量化が期待できます。また、より反応性の高いケイ素やスズなどのナノ粒子を担持することでより一層の高容量化が期待されます。研究開発の概要

従来技術
黒鉛を負極材とするリチウムイオン二次電池では理論容量に限界があります。また、活性炭などを利用する電気二重層キャパシタでは電極として活用できる細孔容積が小さいために有効に容量に反映できません。
優位性
小球体の径が数μm程度であることから電極反応が迅速に進行し、また、高容量の担持物質は単体では半導体であり急速充電荷的な差異がナノ粒子化して炭素に担持することで可能となります。

特徴

再生可能エネルギーへの期待感が高い中で二次電池やキャパシタの役割は蓄電体からエネルギー貯蔵デバイスに変わりつつあります。とはいえ、二次電池は化学反応のため充電時間が長く、キャパシタは充電時間は短いのですが容量が低いという課題があります。また、再生可能エネルギーは定常性が低いことから過剰生産、余剰エネルギーの貯蔵が不可欠です。我々は太陽光熱発電と高容量電気二重層キャパシタ、急速充電型高容量リチウムイオン二次電池の開発に取組んでいます。カーボンナノチューブや多孔質炭素小球体を使用することで特殊設備が不要な軽量小型化を目指しています。蓄電には炭素材料だけでは限界もありますので半金属ナノ粒子を担持した複合化条件を検討していますが、ようやく最適化が見えてきました。今後は条件を絞り込みながら個々の性能について測定していくことを考えています。最大で300 F/gの高容量電気二重層キャパシタの作製が可能 800 mA/hの放電容量のリチウムイオン二次電池の作製が可能 太陽光熱発電のような再生可能エネルギーからの発電が可能 研究関連設備

実用化イメージ・想定される用途
・再生可能エネルギーの貯蔵
・余剰生産エネルギーの貯蔵
実用化に向けた課題
・メソ孔を主体とする細孔の調製法の最適化
・半金属ナノ粒子担持法の最適化

研究者紹介

太田 道也(おおた みちや)researchmap

群馬工業高等専門学校・物質工学科・教授

研究者からのメッセージ

SDGsの目標7にありますようにエネルギー貯蔵や太陽光発電については常に高い目標値が設定され続ける領域です。開発目標によりますが、実用性の高い材料開発を目指したいと思いますので、多くの方々からディスカッションをお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

研究キーワード

多孔質炭素小球体

ケイ素ナノ粒子

スズナノ粒子

高比表面積化

メソ孔

知的財産権

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