K-§MART SEEDS集オリゴマー型有機伝導体の開発

概要

近年の急速な情報化社会の発展の中で、軽量で柔軟、溶液プロセスが可能な有機伝導体が注目を集めています。本研究では、高分子と低分子の間に位置する単分子量オリゴマーに着目し、その高い分子設計自由度を活かした、有機伝導体のさらなる高伝導度化、高機能化を目指しています。研究開発の概要

従来技術
有機伝導体として、導電性高分子が広く普及していますが、さまざまな長さからなる分子鎖の混合物であり、詳細な伝導機構の解明や機構に基づいた材料設計が困難でした。
優位性
本研究で着目する単分子量オリゴマーは、高い分子設計自由度を有し、単結晶構造から固体中における詳細な分子配列情報が取得可能であることから伝導機構の解明と機構に基づいた材料設計が可能です。

特徴

オリゴマーは、精密な設計(鎖長、末端基、構成ユニット)が可能であり、また、機構解明の観点から単結晶構造より分子性導体分野の知見に基づく、伝導機構の解明が可能です。解明した導電性高分子の伝導機構を、上記に示した精密な分子設計にフィードバックし、分子軌道、結晶中での積層構造を制御することで、超伝導から金属、絶縁体まで、さまざまな電子状態の実現を、一連の分子群で電子相関パラメータを制御し、実現できる可能性を秘めています。これまでに、配列と鎖長に着目した新規単結晶性オリゴマー型有機伝導体を開発し、世界最高室温伝導度(36 S/cm)、オリゴマー伝導体では初めてとなる金属状態を実現しており、今後さらなる高伝導度化を目指します。

実用化イメージ・想定される用途
・帯電防止剤やキャパシタ電極等導電性高分子が使用されている分野
・柔軟性を必要とする場所の導電性の確保
実用化に向けた課題
・さらなる高伝導度化
・塗布性等の実用化に向けた性能付与

研究者紹介

小野塚 洸太(おのづかこうた)researchmap

onozuka(α)nagaoka-ct.ac.jp(α)を@に置き換えてください

研究者からのメッセージ

本研究テーマに関するご相談、有機合成設備(フラッシュ自動精製装置、HPLCにより分離)、電解酸化による電荷移動塩単結晶の作製等、有機物に関するご相談がございましたら、よろしくお願いいたします。

研究キーワード

分子性導体

有機伝導体

有機化学

構造有機

知的財産権

特開2023-34332(P2023-34332A) 化合物、組成物、導電助剤、電極及び積層体

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