お知らせ

奈良高専 『 高専GCON2021 』本選 成果発表会へ!

更新:2022年01月20日

 

「高専を目指す中学生にも読んでほしい」シリーズ①

 

奈良工業高等専門学校(奈良県大和郡山市、校長:後藤景子 以下「奈良高専」)須田研究室の専攻科生(※)2名は、高専GCON2021において、「能動制御キャスターの開発 (能動制御台車の4輪化)」で、応募総数42チームから本選に進出できる12チームの1つとして見事選ばれました。

※専攻科とは、高専の科学の知識と技術を更に深めたい学生のため、より高度な技術者教育を行うことを目的として、2年間の専攻科が設置されています。

 

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高専GCON2021( 高専GIRLS SDGs x Technology Contest)とは、独立行政法人国立高等専門学校機構(高専機構)が女子高専生の実力をもっと世の中に発信するため、本年度始めて開催されるコンテストです。本コンテストは、参加学生がSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)の理念を理解し、さらには日頃行っている研究や学習がSDGsの観点から社会課題に対してどう貢献できるか考えることにより、未来の研究者・技術者としてより成長することを期待するものです。

 

■「能動制御キャスターの開発 (能動制御台車の4輪化)」でエントリーしている、プロジェクトリーダーの奈良高専 システム創成工学専攻 機械制御システムコース2年の小川奈那子さんにお話を聞きました。

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4輪キャスターに衝撃を与える実験装置

 

応募動機

女性が活躍できる場を設けてもらったこと、SDGsの達成に向けて研究できるということが、自分にぴったりだと思い応募しました。SDGsについては、須田先生から日々教わり、更に高専機構が主催する「SDGs Webinar 2020 ”今“を視て想像する新しいSDGs-」に参加し、理解を深めることで『自分に出来ること』を考えていました。また、5年生の時から継続して行っているキャスターの研究で、新生児の脳に影響を及ぼさない保育器を開発したいと考えています。SDGs3番目の「すべての人に健康と福祉を」を目標に掲げ、弱ってしまった新生児の死亡数の減少に寄与したいと思っています。

 

課題

小さい突起物やグレーチング(網)を乗り越える時の振動が新生児の脳に影響を及ぼすという問題があります。その振動がない保育器を作りたいと思っています。

キャスターは10年以上前から須田先生が取り組んでいる研究対象です。先行研究で1輪では振動を抑えられます、それを4輪で活用し、振動を極限まで減らし実用化を目指します。

 

検証内容

突起物などは3Dプリンターで作成し、4つのキャスターに振動を与える装置を作り、実際に動かし、その時に起こる振動をデータ化し、計算します。また、どのような動きをしているかという検証も行っています

 

 

本選への意気込み

GCON本選では取組を紹介する5分間の動画で審査されるので、どこまで伝えられるか分からないですが、実物とパワーポイントを使い説明をします。

全ての人に伝わるように、字幕をつけようと考えています。また、SDGsを学ぶことがきっかけで手話の勉強を始めており、同時手話通訳も時間が許す限り挑戦したいと思っています。

 

高専へ入学するきっかけ

兄が奈良高専に行っていて、毎日楽しそうに帰ってくるのを見ていて、「楽しそうだから行きたいな」といったきっかけでした。数学と理科が得意なことが更に背中を押し、入学しました。

4月からは大手上場機械・プラントメーカーに就職が内定しています。

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担当教員

独立行政法人国立高等専門学校機構

奈良工業高等専門学校 機械工学科 准教授 須田 敦

 

須田先生から未来の高専生にメッセージ

キャスターは身近に使われているもので、古代はメソポタミア文明から使われていたとされています。

「石の上に丸太を置いて転がる」からスタートしたものです。簡単に作れるものなので、ハイテク部品を使用せず、ローテク部品で活用ができます。そのことから、転がればいい、重さに耐えられたらいいという考え方でした。しかし、突き詰めると新しい発見があり、用途があります。

「もっと、こうしたらいいのに」「なぜ、こうならないのか」と考える事があれば、ぜひ、奈良高専で一緒に勉強しましょう。

 

須田先生からプロジェクトリーダー小川さんへ

SDGsについて、興味を持ち、よく勉強していると感心しています。こちらから言い続けてはいましたが、実際活動をしてきたのは、小川さん自身です。突き詰める事ができるのは素晴らしいことだと思います。SDGsだけにとらわれず、もっともっと広い視野で物事を見ること、先を見る力も更につけていってほしいと思います。

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