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≪第5回 COC+政治・経済 奈良県企業様による特別講演≫
第5回COC+政治・経済では、本校と奈良中央信用金庫様との地方創生コラボ企画として、奈良県内の「卸売」・「プラスチック製品製造」・「機械製造販売」・「精密機器製造」・「商社」の多岐にわたる業種の企業様を招へいし特別講演を行っております。
本科3年生1学科につき1企業様が、事業内容や業界動向、抱えている課題等を直接お話しいただくことで、地元企業の魅力を知ると共にベンチャーマインドの涵養を目指します。
☆会社名をクリックすると、特別講演の内容が表示されます。
平成29年度 COC+ 政治・経済(2017年6月12日掲載)
COC+政治・経済「奈良県企業様による特別講演」が、平成29年7月7日(金)、1・2限目に物質化学工学科3年生を対象に、奈良精工株式会社 代表取締役社長 中川 博央様を講師にお招きして行われました。
この授業は、本校と奈良中央信用金庫様・奈良県内企業様との地方創生コラボ企画であり、学生がグループワークにより作成した事業計画書を発表し、評価していただくものです。
(担当教員 竹原准教授)
(奈良精工株式会社 中川社長)
(奈良中央信用金庫 様)
前半は、奈良精工株式会社 中川社長による特別講演が行われ、会社概要・事業内容・製品紹介などの会社情報をご説明いただきました。
光学機器部品メーカーとして設立以来、一分野に固執せず、歯科用インプラント材生産から電車部品・航空機部品の生産等、精密部品加工で培ったノウハウを活かして様々な業種の仕事に幅広く対応して、新しい事業領域を次々と開拓する経営方針のご紹介をいただきました。その中でも力を入れておられるのが、医療機器分野であり、奈良県で唯一の第一種医療機器製造販売業許可を取得されておられ、歯科用インプラント材生産にとどまらず、股関節用インプラントや人工股関節、手術機器などに領域を広げ、ばね指(弾発指)の外科手術で利用する靭帯・腱手術用機器も開発されておられる県内の有力企業です。中川社長ご自身のエンジニアとしての立場から生産技術の習得やRWF法、タグチメソッド等についてお話をいただき、また、社会で働く上で必要な力についてもお話いただきました。そのうえで、企業が新入社員に求めるものとして学校での基礎学力も大事であるが企業はコミュニケーション能力や協調性を求めていることをオアシス運動(「おはよう」「ありがとう」「失礼します」「すみません」それぞれの最初の1文字をつなげたもの)などを例に挙げ、社会人としてのマナーの大切さについても述べられました。そして、教育訓練や自己研鑚に進んで取り組むことが自分にも企業にもプラスになると学生を激励しました。また、学生は中川社長から奈良精工株式会社様の他社との交流を通じた事業展開や奈良県における地方創生の現状を学び、中小企業の魅力についても知りました。
前半の特別講演に対する質疑応答の時間も設けられ、学生からの質問に対して中川社長から丁寧なご回答をいただきました。
(特別講演の様子)
(質疑応答の様子)
後半は、学生がグループワークで作成した事業計画書を定められたタイムスケジュールに従って、奈良精工株式会社様ブースと奈良中央信用金庫様ブースAとBの3つに分かれ発表しました。学生は各班制限時間を精一杯活用して、自分たちの事業計画書の魅力を伝えました。そして、発表内容に関し直接アドバイスをいただき、発表をしていない班は空き時間にアドバイスをもとに改善作業を行いました。
(奈良精工株式会社様ブース)
中川 社長
(奈良中央信用金庫様ブースA)
橿原支店 福山 支店長
堀内 地域創生推進室 副室長
(奈良中央信用金庫様ブースB)
山田 地域創生推進室 室長
最後に、奈良精工株式会社様と奈良中央信用金庫様より本講演を通して学生へ総評をいただきました。
奈良精工株式会社様からは、「事業を構築するためには、どんな市場があるのか、どれくらいの規模があるのか、どう融合するのかなどトータル的に分析し、世の中ではどうなのか現状認識を行い、実現するかどうかの有効性を踏まえて、事業を構築してください。製造するには何個つくれば利益が出るのかなどの採算性についても分析し、いろいろな角度から方向付けをして、もう一度基礎的なところから、事業が成り立つかどうかを検討してください。是非、皆さんのアイデアを事業計画書に盛り込んで実現できるように、頑張ってください。」と激励のお言葉をいただきました。
奈良中央信用金庫 堀内 厚男様からは、「お疲れ様でした。今、皆さんは、事業計画書作成を通して、新しい何かをつくりだそうとしておられます。その何かは、社会に変化をもたらします。そして、その変化から感動がうまれ、わくわくドキドキが起こります。世の中の発明のほとんどが、今あるもの有から有でうまれています。無から有はうまれません。あるものとあるものを組み合わせて、最終発表会には皆さんがわくわくドキドキするものをつくりだしてください。」と述べられ、プレゼンテーションで想いを 伝えるための参考として、『プレゼンの神様 ガー・レイノルズに学ぶ -10のレッスン-』を挙げられ、最終発表会への期待を込めたお言葉をいただきました。
(グループ発表に対する総評の様子)
学生は本日の講演を胸に、最終発表会に向けて、事業計画書の練り直しに取り組んでまいります。
奈良精工株式会社様 (2017年7月18日掲載)
広陵化学工業株式会社様 (2017年7月18日掲載)COC+政治・経済(担当教員:竹原 信也准教授)では、本校と奈良中央信用金庫様・奈良県内企業様との地方創生コラボ企画により、学生がグループワークで作成した事業計画書を発表し、評価していただいております。
平成29年7月7日(金)、5・6限目に電子制御工学科3年生を対象に、広陵化学工業株式会社 製造部統括工場長 諏訪 敏様を講師としてお招きして特別講演が行われました。
広陵化学工業株式会社様は、プラスチック射出成形メーカーとして創業されて以来、主に食品容器と臨床用器材の分野で、最高品質の商品を提供しておられ、今後さらに組織や技術開発、販売手法などの企業活動で継続的なイノベーションにより、収益力の高い新規事業分野の製品を次々と生み出す県内の優良企業です。
諏訪様の工場長就任から6年間で売上高を1.7倍に増加させた秘話や工場長としての取り組み等をお話しいただきました。「経営の基盤を支えてくれる食品容器」や「高付加価値化が必要な理化学製品」の紹介場面では、実際の商品を見せながら、食品容器7g=3円と理化学製品2g=10円の価格を比較し、商品の高付加価値について分かりやすくご説明いただき、学生の笑いを誘う場面も見られました。「急成長を支えた新規事業分野の製品」については、宅配水と医療機器を例に、収益率の高い分野についてのご紹介をいただきました。さらに、「私がこれまで取り組んできたこと」と題して、諏訪様の工場長としての取り組みをお話しいただきました。
【広陵化学工業株式会社 製造部統括工場長 諏訪 敏様】
【ブロー成形技術説明の様子】
【食品容器と理化学製品の高付加価値説明の様子】
《私がこれまで取り組んできたこと》
1.自分にしかできない新しい工場長像
(数値に基づいた現場マネジメント)2.現場をショールームにするためにスタッフの意識を変える ①工場、各部署の問題点を数字で示す
②改善テーマを明らかにし目標を数値で示す
③目標を達成するための手段を明確にする
④達成状況を共有し手段を修正・見直しする①しっかりとした挨拶
②清潔な環境と身だしなみ
③ルール厳守の仕事ぶり諏訪様は、この二つの取り組みにより、工場長として会社に貢献し、業績を上げてこられました。そして、これからの広陵化学工業株式会社様の目標として、プラスチック製品の受託型メーカーから、自らの商品企画力やプロデュース力で新しい価値を生み出す価値創造型メーカーへの転換について述べられました。「価値創造型メーカー」=「本当のメーカーへ」なる為のポイントとして、産官学の連携が重要であることを伝えました。そして、例えば、シャーレ1セット=9円80銭を産官学の連携により、付加価値をつけ製品化した再生医療用シャーレ3100円とすることで、新しい可能性が市場で実現していきます。夢を追いチャレンジしていく起業家精神や中小企業だからこそできることなど、その魅力や面白さを学生が感じる特別講演でした。
この特別講演に対する質疑応答の時間も設けられ、学生からの質問に対して諏訪様から激励を込めたご回答をいただきました。
その後、学生がグループワークで作成した事業計画書を定められたタイムスケジュールに従って、広陵化学工業株式会社様ブースA・Bと奈良中央信用金庫様ブースA・Bの4つに分かれ発表しました。学生は各班制限時間を精一杯活用して、自分たちの事業計画書の魅力を伝えました。そして、発表内容に関し直接アドバイスをいただき、発表をしていない班は空き時間にアドバイスをもとに改善作業を行いました。
【質疑応答の様子】
【広陵化学工業株式会社 総務部総務課 川西 大輔 様】
【奈良中央信用金庫
本店営業部 北村 守 様(左側)
地域創生推進室 室長 山田 章生 様(右側)】最後に、広陵化学工業株式会社様と奈良中央信用金庫様より本講演を通して学生へ総評をいただきました。
広陵化学工業株式会社からは、はじめに 川西様が、「それぞれの班が、良いアイデアを出されています。事務系の立場から皆さんの事業計画書を見せていただき、人件費等の経費面から専門的にアドバイスをさせていただきました。参考にしていただければと思います。」とのお言葉をいただきました。
諏訪様からは、「発表いただいたそれぞれの班から“検査装置“、“プラスチックのねじ”、“ゲルを使用したベット”、“アクリル樹脂の窓ガラス“の提案をいただきました。今ある素材の代わりにプラスチックで低コスト化することやターゲットを細分化して絞り込むこと、また原料として使う素材にもう一工夫別素材をプラスして独自性を出すことなど、お伝えした課題をクリアして是非商品化していただきたいと思います。いずれにしても素晴らしいアイデアで参考になりました。」と、期待を込めたお言葉をいただきました。
奈良中央信用金庫 堀内 厚男様からは、「皆さんは、9月のプレゼンテーションまでに色々なアイデアを出して、新しい何かをつくりだそうとしておられます。その何かは、実現すれば、社会に変化をもたらし、感動がうまれます。そのためには、世の中の人に理解して共感してもらわなければなりません。ここで、プレゼンの神様と呼ばれる奈良県生駒市在住のガー・レイノルズさんの”10のレッスン”をご紹介させていただきます。印象に残るプレゼンテーションのテクニックですので、参考にしていただき、感動してもらえるような最終発表会にしてください。」と、激励のお言葉をいただきました。
『プレゼンの神様 ガー・レイノルズに学ぶ -10のレッスン-』
01.何を使うかは問題ではない。
02. アナログモードで始める
03. 恐れずにリスクを冒す
04.「ストーリー」を探す
05. その人の立場になって考えてみる
06. 自制する
07. 視覚は他のどの感覚よりも勝る
08. 信号 Vs 雑音
09. 空白を受け入れる
10. あなたの周りにあることから学ぶ【奈良中央信用金庫 堀内 厚男 様】
学生は、最終発表会へ向けて事業計画書の完成が急がれます。
奈良OAシステム株式会社様 (2017年7月24日掲載)COC+政治・経済(担当教員:竹原 信也准教授)では、平成29年7月11日(火)、7・8限目に情報工学科3年生を対象に、奈良OAシステム株式会社 諸富 誠治 様を講師としてお招きし、奈良中央信用金庫様にご同席いただき、地方創生コラボ企画としての特別講演を開催いたしました。
【奈良OAシステム株式会社 諸富 誠治 様】
【担当教員 竹原 信也准教授】
つぎに、ご自身の社会人としての豊富な経歴をふまえながら自己紹介をしていただきました。そして、『哲学、考え方研修 「働き方」~幸福になるための考え、思いの重要性~』についてお話しいただきました。
「奈良OAシステム株式会社の社員の一人に、誰も好んでやらないトイレの掃除を朝早く出勤し、やっている人がいます。この人は、一生懸命に働く、だれにも負けない努力をしている人です。会社とは人の心の集合体です。それを目にした周りの人からの評価は高まります。一生懸命に働く、だれにも負けない努力をすることにより、やりがいや達成感を見出せるようになり、仕事を好きになり、更に創意工夫をすることで、仕事を楽しむことができ人生を豊かにすることができます。その結果「心を高めるために働く」ことにつながります。
人生は無限ではありません限りがあります。苦しい時が試練だと思いがちですが、良い時も試練なのです。成功したからと言って傲慢にならず、謙虚にしておごらず、毎日反省をするように習慣づけて下さい。自分のやって欲しいことを相手にやってあげる、それを毎日続けていれば、人は一人では生きていけませんから、自分が困ったときに必ず誰かが助けてくれます。利己だけで動く、つまり本能で動くと、誰も助けにきてくれません。そして、人は生きていることに感謝しなければなりません。人は神様に生かされているのかもしれないからです。
利己と利他についてもう少しお話しさせていただくと、良いことをすれば良い結果がでます。これを因果応報といいます。結果には必ず原因があり、あなた方は自分たちの決断、行動によってあなた方の人生がつくられています。良いことをしていけば良い方向に動き、あなた方が思った通りの人生に運命はなります。“こうなりたい”と思えば“こうなる”そういう気持ちを持つことが大事です。そして、もし失敗しても、くよくよせずに新たな思いと新たな行動をとる努力、つまり創意工夫をしてください。この事を私は京セラグループで学ばせていただき自分が成長できたと確信しております。
仕事が出来る人とは、良い習慣をもっており、自ら積極性と普段のコミュニケーションを図り周囲と協力して仕事を進める段取りの良い人です。常に自分をはかるものさしを伸ばし、満点をつけず努力するチャレンジ精神をもっている人です。なんにでもチャレンジして、労働が人生にもたらす素晴らしい可能性を仕事によって知っていただければと思います。つまり仕事を通じて人格形成をしていただきたいのです。
仕事は9割が苦しいと言われています。しかし、残りの1割の楽しさのために働くことで、人生はだんだんと良くなっていきます。この後、皆さんの事業計画書を見せていただきますが、働くということや起業するということは、仕事を通じて心を高める人格形成につながります。これまで話してきたように、幸福になるための考え、思いの重要性が大事なのです。そこには、素晴らしい可能性があります。人間には無限の可能性があります。皆さんにも無限の可能性があります。自分の思ったような人生を生きるために、頑張ってください。」と激励のお言葉をいただきました。
学生は、「なぜ働くのか?」「何のために働くのか?」について、労働が人生にもたらす、すばらしい可能性を知り、「働き方」の紐解きをしていきました。働くことは人間を鍛え、心を磨き、「人生において価値あるもの」をつかみ取るための尊くて、最も重要な行為であることを教わり、人生を好転させる方法として「ど真剣に働く」ことを知りました。
【特別講演の様子】
【質疑応答の様子】
学生がグループワークで作成した事業計画書を定められたタイムスケジュールに従って、奈良OAシステム株式会社様ブースと奈良中央信用金庫様ブースAとBの3つに分かれ発表しました。学生は各班制限時間を精一杯活用して、自分たちの事業計画書の魅力を伝えました。そして、発表内容に関し直接アドバイスをいただき、発表をしていない班は空き時間にアドバイスをもとに改善作業を行いました。
最後に、奈良OAシステム株式会社様と奈良中央信用金庫様より本講演を通して学生へ総評をいただきました。
奈良OAシステム株式会社 諸富様からは、「どの事業計画書も面白い斬新なもので楽しく拝見させていただきました。短い時間でしたので、事業計画としてはまだまだ会計の基礎ができておられませんでしたが、今後、どうやったら事業が成り立つのか?どこに収益性があるのか?原価、費用をどれだけ計上しないといけないのか?開発費用や手数料、広告収入などについても、もう少し深堀して考え会計の基礎を学んでください。そして、楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する。実行するときには、くよくよと悩まずに“絶対に成功する”という思いで実行してください。また、事業計画書を作成するときは、リスクとして参入障壁の問題やライバル企業が出てくることなどを想定してください。その際に、地域との密着や協力企業との連携によって、他社が参入できないようにするなどの努力が必要です。アイデアとしては、すばらしいものでした。」と、コメントをいただきました。
奈良中央信用金庫 堀内 厚男様に、「政治経済ワークシート No.9」の答え合わせをしていただきました。そして、その後、「これが今みなさんの考えている事業計画書をよりよくするためのヒントとなるものです。新しいアイデアを言葉や文字にしました。新しい何かは世の中に変化をもたらし、そこに感動が生まれます。そのためには、世の中の人に共感してもらわなければなりません。皆さんの頭の中にあることをわくわくドキドキするようなアイデアとして共感してもらえるような発表にしてください。」と、激励のお言葉をいただきました。
【奈良中央信用金庫 地域創生推進室 山田 章生 室長】
【奈良中央信用金庫
ますが支店 寺西 弘行 支店長(左側)
地域創生推進室 堀内 厚男 副室長(右側)】【学生の事業計画書発表の様子】
【政治経済ワークシート No.9】
※クリックすると拡大PDFが表示されます。「政治経済ワークシート No.9」の答え
☆事業計画書をよりよくするために
事業計画書の評価基準
(新規性):アイデアが創造性に優れ、他に無いものである。
(実現性):アイデアは実際に実現の可能性が高い。
(事業性):アイデアは収益が見込め継続的な事業が可能である。
三つの絞り
①(商品)を絞る ②(ターゲット)を絞る ③(知恵)を絞る
三つのなぜに答えよう
①なぜ、この事業が(社会)に必要か。
②なぜ、この事業に(将来性)があるのか。
③なぜ、この事業を(世の中に広めたい)と思うのか。
【奈良中央信用金庫 堀内 厚男 様】
9月に予定されている最終発表会への期待が高まります。
第5回COC+政治・経済(担当教員:竹原 信也准教授)では、平成29年7月13日(木)、3・4限目に電気工学科3年生を対象に、フルックス(FRUX)グループ 代表取締役 黒田 久一様を講師としてお招きし、奈良中央信用金庫様にご同席いただき、地方創生コラボ企画としての特別講演を開催いたしました。第3回目の授業では、 経営企画室 室長 村山 光代様を招へいし、「奈良県で活躍している企業の活動内容を知ろう」と題して、事前に会社概要・経営理念等についてのご説明いただきました。
【フルックス(FRUX)グループ様】
【奈良中央信用金庫様】
奈良県大和郡山市の昭和工業団地内にあるフルックス(FRUX)グループ様は、果実・青果卸業から創業され本年で54年目を迎えられます。創業者である黒田 一郎様が平成29年5月に他界され、これまでの青果業界における青果物流通への「挑戦」と「学び」を振り返りながら創業者精神を受け継ぎ、時代の変化に対応した次の50年=“NEXT50”へ向け、新たな価値創造に挑戦を続けておられる奈良県の優良企業です。
前半は、黒田社長から会社概要・事業紹介等が行われました。
はじめに、「かごの卵理論」によるリスクヘッジの考え方を学びました。「“商売とは心配の上に成り立つもの”で、青果物は天候リスクを抱えているため複数事業に取組むことでリスク分散しています。そして、常に変化に対応し、価値創造に挑戦してきました。“商売はリスクがあるけれど果敢に挑戦できるすばらしいもの”でもあります。」とのお話をいただきました。
【フルックス(FRUX)グループ 代表取締役 黒田 久一様】
【アメリカの野菜等売り場における陳列の仕方説明の様子】
つぎに、「日本では、商品に値札が付いていなかった対面販売の時代がありましたが、1673年に越後屋(三越の前身)が正札販売を実施しました。アメリカで世界初のスーパーマーケット キングカレンによるレジスターの登場から食品小売業における“セルフサービス”が始まり、日本にも合理的な販売手法として導入されました。今、有店舗で商品を自ら選んで販売する、この“当たり前のセルフサービス”が大きく変わろうとしています。それはネット販売による「アマゾンの台頭」です。私自身、生鮮食品において、ネット販売は、関係のないものだと思っておりました。しかし、「Amazonフレッシュ」というサービスが東京の一部地域で開始されるようになり、野菜、果物、鮮魚、精肉などの生鮮食品や専門店グルメから日用品まで10万点以上の商品の購入がネットで可能になりました。また、アマゾンは今年6月に、自然・有機食品が強みである米大手高級スーパーのホールフーズ・マーケットを買収しました。これは、ネット企業が有店舗を持つということを意味しています。2社の長所を上手く活用し、融合することで、今までネットでは買うことを躊躇していた生鮮食品も現物を手に取って見ることができます。2社を融合することで、今までとは異なる流通形態になり、流通業界が大きく転換することへの危機感はあります。しかし、ここには新たなビジネスチャンスも生まれます。我々フルックス(FRUX)グループは、お客様にどのような価値を提供できるのか、新たなビジネスへの創造を社内で検討しております。これからは経済的価値だけでなく社会的価値とのバランスを考えた経営が求められています。ビジネスのスピードは速いですが、“あますところなく使いきる、売りきる”ことへの挑戦を続け、Human touchで野菜を扱う分野では一番になるために、顧客中心の売場作りを意識し(Meal solutions with vegetable)、売り上げを拡大していくFRUXタウン構想を練っております。お客様・地域社会・働くすべての人々が豊かになるようフルックスグループは食と農の“かけ橋”となります。」と、述べられました。最後に、マクドナルド創業者のレイ・クロック氏の“成功はごみ箱の中に”を紹介し、「この後、皆さんから事業計画書のアイデアを見せていただきますが、楽しみにしております。」と、激励のお言葉をいただきました。
この特別講演に対する質疑応答の時間が設けられ、学生から「アマゾンがホールフーズを買収したことによる今後の動きや影響は何ですか?」という質問があり、黒田社長から「利便性の向上」「ネット販売では、味わえない買う楽しさ」「Human touch」等からご回答をいただきました。
【“成功はごみ箱の中に”をご紹介する様子】
【質疑応答の様子】
後半は、学生がグループワークで作成した事業計画書を定められたタイムスケジュールに従って、フルックス(FRUX)グループ様ブースA・Bと奈良中央信用金庫様ブースA・Bの4つに分かれ発表しました。学生は各班制限時間を精一杯活用して、自分たちの事業計画書の魅力を伝えました。そして、発表内容に関し直接アドバイスをいただき、発表をしていない班は空き時間にアドバイスをもとに改善作業を行いました。
【奈良中央信用金庫
結崎支店 藤原 達哉 支店長(左側)
地域創生推進室 副室長 堀内 厚男 様(右側)】【奈良中央信用金庫 地域創生推進室 室長 山田 章生 様】
最後に、フルックス(FRUX)グループ様と奈良中央信用金庫様より本講演を通して学生へ総評をいただきました。
フルックス(FRUX)グループ 竹中 ゆい様からは、「本日はありがとうございました。学生さんならではの柔軟な考え方をお伺いできて、新たな刺激となりました。皆様の事業計画書を参考として、これからの事業に取り入れていければと思います。」とのコメントをいただきました。
フルックス(FRUX)グループ 河野 真也様からは、「お疲れ様でした。皆さんからエネルギーと情熱が伝わってきました。地産地消や奈良のものを使って奈良の活性化につながるアイデアでした。これからも自分のイメージしたものをかたちにできるような自分なりの考え方を持っていただければと思います。」とのコメントをいただきました。
【フルックス(FRUX)グループ 竹中 ゆい様】
【フルックス(FRUX)グループ 河野 真也様】
奈良中央信用金庫 堀内 厚男様に、「政治経済ワークシート No.9」の答え合わせをしていただきました。そして、その後、「皆さんは本日、新しいアイデアを事業計画書にしました。新しい何かは世の中に変化をもたらし、わくわくドキドキが生まれます。9月に予定されている最終発表会では、わくわくドキドキするような発表をして共感してもらえるように頑張ってください。会社に入ると営業や事業提案等多くの発表の機会があります。この授業での経験は社会に出てからも役に立ちます。12月に、斑鳩でビジネスコンテストがあります。(第1回高校生ビジネス・グランプリin斑鳩)是非、チャレンジしていただければと思います。」と、激励のお言葉をいただきました。
「政治経済ワークシート No.9」の答え
☆事業計画書をよりよくするために
事業計画書の評価基準
(新規性):アイデアが創造性に優れ、他に無いものである。
(実現性):アイデアは実際に実現の可能性が高い。
(事業性):アイデアは収益が見込め継続的な事業が可能である。
三つの絞り
①(商品)を絞る ②(ターゲット)を絞る ③(知恵)を絞る
三つのなぜに答えよう
①なぜ、この事業が(社会)に必要か。
②なぜ、この事業に(将来性)があるのか。
③なぜ、この事業を(世の中に広めたい)と思うのか。
【奈良中央信用金庫 堀内 厚男 様】
学生は、今後、最終発表会へ向けパワーポイントによるスライド作成等の準備に取組んでまいります。
フルックス(FRUX)グループ様 (2017年7月28日掲載)
第5回COC+政治・経済(担当教員:竹原 信也准教授)では、平成29年7月13日(木)、5・6限目に機械工学科3年生を対象に、株式会社 品川工業所 代表取締役社長 庄野 明様を講師としてお招きし、奈良中央信用金庫様にご同席いただき、地方創生コラボ企画としての特別講演を開催いたしました。
奈良県にある株式会社 品川工業所様は、餅つき機やたまご焼成機などの食品加工機械・製菓機械の製造を中心に、混合攪拌機・造粒機などの理化学用機械の開発・製造・販売までを手がける明治43年創業の老舗企業です。多様化・複雑化、高品質化する業界のニーズに対応し、技術とハートで食・未来を拓き続けておられます。
前半の特別講演では、「MADE in NARA. 世界の食を支える100年企業」と題して、「SHINAGAWA 総合カタログ」を見ながら、庄野社長から詳しい会社概要や創業理念等のご紹介をいただきました。はじめに、社章のサンキュウマークの由来や社訓の「感謝・研究・前進」のサンキュウ精神についてご説明いただき、福利厚生や社会貢献のお話を伺いました。つぎに、「品川工業所の歴史」を創業期・成長期・開発期に分類した年表をもとに、歴史を振り返りながらご説明をいただきました。
【株式会社 品川工業所 代表取締役社長 庄野 明 様】
【特別講演の様子】
以下は、庄野社長がご説明されたものの中から、主な年代の歴史をあげさせていただきました。
≪株式会社 品川工業所様の歴史≫
年代
主な歴史
庄野社長のコメント
創業期
明治から
昭和20年代
「昭和3・6・10年 全国菓子大博覧会にて、製菓機器が一等金牌を受賞」 この当時は、3~4年に一度の開催である為、間隔があいているように思われますが、連続受賞しております。 成長期
昭和30年代
「昭和36年 モダンミキサー 開発
(現代の家庭用の餅つき機やホームベーカリーの基本構造を作りました。)」当時は各家庭には、餅つき機やホームベーカリーがございませんでした。しかし、この特許が切れてから各家電メーカーが家庭用餅つき機を製造しました。その際に、大手家電メーカーから「家庭用餅つき機をつくらないか?」とのお誘いがありましたが、創業理念である“己の為に財を希わず”から、自社の利益を優先せずに業務用機械メーカーとして、取引先のお客様のことを第一に考えて、お断りしたという経緯があります。 開発期
昭和40年代
から平成
「昭和46年 全自動連続たまご焼き機 開発(これまでの内食主体の食事状況が徐々に外食・中食が普及するにつれ大量調理機械の需要が高まっていきます。)」 昨今は東南アジアを中心に日本食ブームです。また、日本ではコンビニ用弁当等で全自動連続たまご焼き機が、かなり利用されています。 開発期
昭和40年代
から平成
「平成18年 高速混練造粒機“トリプルマスター” 開発(大阪府立大学と共同開発)」 大手製薬メーカーから依頼があり、大阪府立大学が共同開発先を探していたが、中々要望に応える企業が現れなかった時に、創業理念である“客の為に責を辞せず”に基づき「お客様の要望からは逃げてはいけません。挑戦しなさい。」という創業者の考えから「是非やらせてください。」と挑戦し、成功した経緯があります。
その結果、「平成19年 第29回食品産業優良企業等表彰 開発部門に於いてトリプルマスターが農林水産大臣賞を受賞」
さらに、「平成20年 第一回奈良ビジネス大賞に於いてトリプルマスターが最優秀賞を受賞」
いたしました。
学生は、株式会社 品川工業所様の創業理念に基づき、経験と新たな技術ノウハウの習得により、実績を積み上げ大きく前進されてこられた歴史について知ることができました。
さらに、コンビニ・スーパーのお惣菜や弁当・給食などの食品加工業界や菓子・パンの加工業界、医薬品・化粧品などの製造業界と幅広い業界に対して様々な製造装置を提供されておられ、それぞれの製品についてご案内いただきました。学生は、実際に、コンビニ・スーパー・冷凍食品会社で使われている「フラット型炒め機 AQ-F型」やシンガポールで行われた展示会で出展された[たまご焼成機(ロールタイプ)]の動画を目にし、自分たちの身近にある食品が株式会社 品川工業所様の製造した製品からできていることを知りました。
【動画 フラット型炒め機 AQ-F型】
【動画 たまご焼成機(ロールタイプ)】
最後に、庄野社長から「世界的に日本食ブームですので、特に東南アジアを中心にわが社の製品を使っていただけるチャンスです。今後、奈良から世界へ、市場を求めて進出して参ります。創業以来107年続いたわが社は、これからも皆さんの生活に欠かせないあらゆる食品や生活用品の生産に関わり、日々お客様の求めている新しい製品をつくっていきたいです。この後、事業計画書を見せていただきますが、皆さんから素晴らしいアイデアの提案がありましたら、是非コラボさせていただきたいので、お声掛けください。」と結ばれました。
この特別講演に対する質疑応答の時間が設けられ、学生から「機械製造以外の取り組み」についての質問があり、庄野様から「お客様の新製品の試作に関わる提案や機械操作の指導など。」最近の具体例を挙げたわかりやすいご回答をいただきました。
後半は、学生がグループワークで作成した事業計画書を定められたタイムスケジュールに従って、株式会社 品川工業所様ブースAとB、奈良中央信用金庫様ブースAとBの4つに分かれ発表しました。学生は各班制限時間を精一杯活用して、自分たちの事業計画書の魅力を伝えました。そして、発表内容に関し直接アドバイスをいただき、発表をしていない班は空き時間にアドバイスをもとに改善作業を行いました。
【株式会社 品川工業所 代表取締役社長 庄野 明 様】
【株式会社 品川工業所
総務部長 山本 敦也 様(右側)
営業部 営業企画課 係長 久保 順一 様(左側)】【奈良中央信用金庫
地域創生推進室 室長 山田 章生 様(右側)
本店営業部長 山尾 好司 様(左側)】【奈良中央信用金庫 地域創生推進室 副室長 堀内 厚男 様】
最後に、株式会社 品川工業所様と奈良中央信用金庫様より本講演を通して学生へ総評をいただきました。
株式会社 品川工業所 庄野社長からは、「お疲れ様でした。いろいろお聞きして、奈良県に今ある観光資源をどう活用していくかが、多くの班が取り組まれていた事業計画書のアイデアだったように思います。新しいものが生まれてくるには、“こういうことができたらいいな。”“こういう風になったらいいな。”をかたちにすることです。その際に、“今の世の中にあるのか、ないのか。”“ どんなものが市場に出ているのか。”などの市場分析をする必要があります。今、この商品はどういう状況にあるのかという視点で見ればもう一段違う工夫ができるのではないでしょうか。奈良県の産業を高めていくために、皆さんが真剣に考えてくれているのが伝わってきました。」と、激励のお言葉をいただきました。
株式会社 品川工業所 山本総務部長からは、「ユニークで、楽しいアイデアを拝見させていただきました。皆さんのアイデアを商品化したら、“その商品を実際にお客様が選ぶかどうか。”など、自分たちが実際に買う立場に立って、商品を考えればもっともっとアイデアが生まれると思います。また、この商品を買うときに“自分だったらいくら払うか。”“そのためにはコストをどれぐらいにすれば良いのか”といった立場を置き換えて、逆の発想から考えていけば現実味のある事業計画になると思います。皆さんのアイデアが奈良県の活性化につながればと思います。」とのコメントをいただきました。
奈良中央信用金庫 堀内 厚男様に、「政治経済ワークシート No.9」の答え合わせをしていただきました。そして、「三つの絞りと三つのなぜに答えることで、皆さんの考えている事業計画書がよりよくなります。今、新しいアイデアを言葉や文字にし、事業計画書として作成しました。新しい何かは世の中に変化をもたらし、そこに感動が生まれます。わくわくドキドキするような新しいアイデアとして、皆に共感してもらい感動を与えることができる最終発表会を目指してください。」と、期待を込めてコメントをいただきました。
「政治経済ワークシート No.9」の答え
☆事業計画書をよりよくするために
事業計画書の評価基準
(新規性):アイデアが創造性に優れ、他に無いものである。
(実現性):アイデアは実際に実現の可能性が高い。
(事業性):アイデアは収益が見込め継続的な事業が可能である。
三つの絞り
①(商品)を絞る ②(ターゲット)を絞る ③(知恵)を絞る
三つのなぜに答えよう
①なぜ、この事業が(社会)に必要か。
②なぜ、この事業に(将来性)があるのか。
③なぜ、この事業を(世の中に広めたい)と思うの
【品川工業所 庄野社長】
【品川工業所 山本総務部長】
【奈良中央信用金庫 堀内 様】
学生は、9月に予定されている“グループ発表-奈良中央信用金庫様による評価-”へ向けて、感動を与えるためのプレゼンテーション作成の準備が急がれます。
株式会社 品川工業所 様 (2017年7月31日掲載)